ブロイラーの実態を描いたアニメ映画「世界一の動物福祉」を初公開 <スウェーデン>

2022年11月8日

Djurens Rätt〈* 〉と映像制作会社Naiveが製作した、アニマルファクトリーの3羽のニワトリたちが、自分たちの生涯の体験を語る3Dアニメーション映画が2022年2月に公開された。
Naive の脚本・監督のRobin Jonson氏は、「この映画は助けや同情を得るために必死に訴えるものではないが、少なくとも人々に反省に値する重い気持ちを残してくれることを願っている」と述べている。また、Djurens Rätt代表のCamilla Bergvall氏は「“世界一の動物福祉”で、アニマルファクトリーにいる動物たちの本当の姿を見せたいと考えている。アニマルファクトリーでの生活に楽しいことなど何もないのだ」と語る。

映画「世界一の動物福祉」はこちらからご覧ください。
🎥The World’s Best Animal Welfare

JAVA注:世界一の動物福祉国といわれているスウェーデンですが、その実態は悲惨で、ひどい扱いを受けているブロイラーの現状をこの映画はブラックジョーク的に表現しています。

©Djurens Rätt

ニワトリのセリフ(JAVA訳)

【シーン1】

解釈の違いだって?一体何を言ってるんだい?動物福祉法、第2章、第2節を読んでみてくれ。畜産というのは動物のニーズと自然な行動を推進しなきゃだめなんだ、以上!何が“自然”なのかを決めるのに自分がふさわしいかはわからないけど。食べ物:OK、施設:OK、会社:OK。まあ確かに1人の時間も良いだろうな。たまには1人で静かに寝たいもんだ。いや、そんなことは気にするな。ニワトリの生涯は短すぎるからな。寝る時間なんてないさ。死んだら眠れるさ。

【シーン2】

自分たちは‟ターボチキン“って呼ばれている。と畜重量に達する時間をなんとか半分にすることに成功したんだとさ。今ではたったの35日さ。感動ものさ。最近の科学の進歩は凄いね。並のニワトリには難しいよ。機械効率、遺伝子組み換え、生産拡大、どこに行き着くんだ?終わりはあるのか?自分が思うに、それは宇宙のようなもので、あまりに遠すぎて想像が及ばない。考え過ぎると、頭がおかしくなりそうだ、そうだろ?だから科学者にならなかったんだ。

【シーン3】

はっきりさせておきたいんだけど、この映画で泣き言を言いたいわけじゃないの。むしろ、ここにいる我々は皆ラッキーよ。生産ラインを生き抜く栄誉を得たんだから。これは決して当たり前のことじゃないの。もう一度言うけど、当たり前のことじゃない。とにかく有り難いと思っているのよ。結局のところ「世界一の動物福祉」というのは素晴らしいことじゃないの。スウェーデンのニワトリとして、ちょっと誇らしいわ。「世界一の動物福祉」なんでしょ?

  1. *スウェーデンで一番大きな動物の権利・福祉団体

Premiere of “The World’s Best Animal Welfare” – an animated film about the reality of broiler chickens (Djurens Rätt)

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