山田養蜂場の動物実験にNO!

商品宣伝のために繰り返す 山田養蜂場の動物実験にNO!

ミツバチ産品で有名な株式会社山田養蜂場がマウスを用いた残酷な実験を行っているとの情報を受け、JAVAは 山田養蜂場に対して、即時、実験の廃止を申し入れました。

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 山田養蜂場の動物実験とは 

山田養蜂場は、養蜂だけでなく、ハチミツやプロポリス、ローヤルゼリーといったミツバチ産品を使ったサプリメント、化粧品などの製造・販売も行っています。そして、それらプロポリスやローヤルゼリーが「病気予防に効く」と宣伝するために、大学などと共同でラットやマウスなどを使った動物実験を数多く行っているのです。

また、同様のテーマの動物実験を行っている外部の研究にも助成金を出しています。例えば、「更年期モデルラット(卵巣を摘出し、閉経後と同じ状態にしたラット)にローヤルゼリーを与えると、骨密度の減少が抑えられた」「抗がん剤を投与したハムスターの頬の内側に、ローヤルゼリーを含む軟膏を塗ると、がん化学療法中に表れる口内炎を軽減させた」「人工的に関節炎を誘発させたマウスにプロポリスを与えたら、与えてないマウスより進行・悪化が抑制傾向にあった」などなどです。

中高年の人や気にかけている人が多い病気・症状を取り上げ、マウスやラットを似せた症状にし、実験を行っているのです。

 高齢マウスを水につける残酷実験も 

「ブラジル産プロポリスは認知症の予防や改善に役立つか?」と題した実験では、次のように高齢のマウスを足の届かない深い水の中に入れるという残酷行為を11日間も行っていたのです。 

  • 正常マウスに通常の餌を与えたグループ、老化が早く進む「老化促進マウス」に通常の餌を与えたグループ、老化促進マウスにプロポリスを低用量含んだ餌を与えたグループ、老化促進マウスにプロポリスを高用量含んだ餌を与えたグループに分け、水迷路を用いた試験(モリス水迷路試験)を行った。
  •  円形の水槽(水深16.5センチ、直径100センチ)にマウスを放し、足が届く直径10センチの地帯「ゴール」にたどり着く時間を比較。これを11日間続けた。
  • どのグループも日数が経つほど、到着時間は早まり、特に老化促進マウスでも、プロポリスを多く与えたマウスは、11日目に到着時間が早くなった。
  • つまり、高用量のプロポリスを与えると、老化促進マウスの認知機能の低下が抑えられる。

世の中の流れに逆行する山田養蜂場 

動物実験については、『3Rの原則』(Replacement:動物を使用しない実験方法への置き換え Reduction:動物使用数の削減 Refinement:動物の苦痛の軽減)の遵守が国際的な流れとなり、日本でも、『動物の愛護及び管理に関する法律』にこの『3Rの原則』が盛り込まれています。山田養蜂場をはじめ企業も例外ではなく、この原則を遵守しなければなりません。

また、EUにおいて化粧品分野での動物実験完全禁止が2013年3月に実現したことからも明らかなように、動物実験に対する批判や動物愛護の世論は国境を越えて広がってきています。そして、動物の犠牲を減らし、代替法を普及させようという動きは、産業界、研究界でも進んでいます。

山田養蜂場も、このような国際的な流れに逆行することなく、動物を犠牲にしない方法を用いて研究を実施するよう全力をあげるべきであることは言うまでもありません。しかし、山田養蜂場は、同社製品を利用している多くの消費者のデータをとることが可能であるにもかかわらず、あえて動物を使って実験を行っており、これは、『3Rの原則』に反しているといえます。

消費者モニターで調査すべき

問題はそれだけに留まりません。動物は、生理機能、寿命、体の大きさ等、さまざまな点において人間と異なる、いわゆる「種差」があり、動物実験で得たデータはそのまま人間には当てはまらないことは周知の事実です。

人間と動物との種差を知りながら、多くの人が悩んでいる病気や症状に人為的に「似せた」状態にさせた動物を用いて実験を行い、あたかも山田養蜂場の製品を摂取することによって、そういった病気・症状が改善する効果があるかのように宣伝をしています。

ハチミツ、プロポリス、ローヤルゼリーといったものは、人が長い年月利用してきた自然由来のものなのですから、その効能について、改めて動物で実験をするのではなく、人のモニターによって調査すべきです。

JAVAからの廃止要望に対する回答 

JAVAからは上記の指摘をしたうえで、山田養蜂場に対して、「動物を犠牲にしない方法によって研究・実験を行うよう、全力で取り組むこと」「動物を用いた研究に助成金を提供しないこと」を求めました。

それに対する山田養蜂場からの回答は次のようなものでした。

■ 動物実験については、今までも動物愛護の観点から、法的な義務付けのあった場合や当局から求められた場合を除き、代替法導入のために、連携大学、研究機関などから幅広く情報を入手してきた。

■  今後はより一層の努力を講じて代替法への転換に積極的に取り組むとともに、不要な動物実験の廃止を目指してまいりたい。

■  既報の世界中の有用性・安全性文献を収集して、データベース化することで、過去に実施済である試験の削減にも努めてきている。

■  ヒトにおけるランダム化比較試験により、製品の有用性・安全性を実証することを目標に研究を進めていく。

■  試験委託機関でも、「みつばち研究助成基金」においても、『3つのRの原則』に基づいた試験を実施していきたい。

「廃止する実験はあるのか?」さらなる追及には回答を拒否 

一見、代替法に力を入れ、一部分でも動物実験の廃止を考えているかのように思わせる回答ですが、曖昧な表現に終始しています。そこで、JAVAは、公開質問状にて、さらに次の点を追及しました。

Q 「今までも動物愛護の観点から、法的な義務付けのあった場合や当局から求められた場合を除き、代替法導入のために、連携大学、研究機関などから幅広く情報を入手してきておりました。」とあるが、水迷路にマウスを入れる実験をはじめ、山田養蜂場の動物実験の数々は、「法的な義務付け」や「当局から求められた」実験なのか?
Q 「不要な動物実験の廃止を目指してまいりたいと存じます。」ということだが、法的な義務付けのあった場合や、行政当局から求められた場合以外の動物実験は、企業の方針・努力次第で回避できるもの。
法的な義務付けのあった場合や、行政当局から求められた場合以外の動物実験は、今後、廃止するのか?するなら、いつからか?しないというなら、山田養蜂場が廃止を目指す「不要な動物実験」とはいったいどのような実験なのか?

これに対して山田養蜂場は、次のように今度は回答を拒否したのです。

弊社の動物実験に対する考え方は、9月25日付で貴会に送付させていただきました回答書にすべて記載し、回答申し上げました。個別の案件につきましては、回答を差し控えさせていただきたいと存じます。また、【質問3、4】(JAVA注:法的な義務付けのあった場合や、行政当局から求められた場合以外の動物実験は廃止するのか?するならいつからか?という質問)の廃止日につきましては、案件ごとに随時検討しつつ改善を進めておりますため、一律にお示しすることは致しかねます。

本当に「動物実験を減らし、なくしていきたい」と考えているならば、たとえば、「一度にすべては無理でもこの分野の実験は廃止予定」ですとか、「社内全体の廃止はいつごろを目標としている」といったおおまかな方針ぐらいは示せるはずです。それができないということは、最初の回答も、私たち動物実験に反対している消費者の怒りを鎮めるためのリップサービスに過ぎず、まったく信用できません。

引き続き「動物実験をやめて!」の声を

企業は、自分たちの商品を買わせるために、ありとあらゆる手を使い、動物実験のデータを示して、「こんな効果もあるんですよ!」と宣伝することをよく行います。山田養蜂場も、人々の病気や老いへの不安を利用し、商品を買いたいという衝動を掻き立たせるために、動物実験を繰り返しているのです。皆さんからも山田養蜂場に、動物実験をやめるよう声を届けてください。

<株式会社山田養蜂場>
〒708-0393 岡山県苫田郡鏡野町市場194
代表取取締役 山田英生
TEL:0868-54-1971(代表) FAX:0120-38-8318
メール:山田養蜂場ホームページ・ログインページ(メールによる問い合わせには無料の会員登録が必要)

(JAVA NEWS No.91より)

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