<英国>英国の動物実験施設で生後間もない犬猫も犠牲に
英国の動物保護団体BUAV(英国動物実験廃止連合)のスージーは、2013年5月から12月までの8か月間、ケンブリッジシャー州にある政府認可のMSDの動物実験施設に潜入調査員として入り、実験施設という隠された世界を明らかにした。MSDとは米国に本拠地を置く世界的な製薬会社である。
MSDは、規制に準拠して実験を行っており違反はしていないと強く主張したが、BUAVが持つ証拠を見れば、実験動物の苦痛が全く軽減されていないことは明白であり、MSDの施設で独自調査がなされるべきだとBUAVは申し立てた。
同施設では子犬だけではなく、子猫、若いウサギ、若いニワトリ、子牛も実験に使用されている。これらの動物は犬伝染性気管気管支炎、パルボウィルス感染症、ネコカリシウィルス感染症などの動物用ワクチンの実験に使われる。このようなワクチンは若い動物を使った実験が法律で義務付けられているとMSDは述べている。
スージーは潜入していた期間に、92頭のビーグルの子犬、10頭の授乳中のメスのビーグル犬、少なくとも15頭の子猫、数は不明だがウサギと子牛、若いニワトリが殺されている場面を記録した。まだ母乳を飲んでいる4週齢だった子犬が母親から引き離されていたこともあった。ケネルクラブの動物福祉専門家は、子犬と母犬は8週齢まで引き離すべきではないと言う。
10月15日のビデオには3頭の子犬が死にいたる注射を打たれ死んでゆく様子が映っていた。2頭目が処分され、スタッフが3頭目の小さな足に注射を打とうとすると、その子犬は身の危険を感じて大声で鳴き叫んだ。すると別のスタッフが言った。「やめなさい。まったく。何をそんなに大騒ぎしてるんだ、うるさいな。血が出て足が腫れてるんだろ。いい子だ、もう楽になるから。哀れなヤツだ。」
BUAVのスポークスマンのサラ・カイト氏は言う。「動物を使っての研究分野で子犬や子猫にしていることが明らかになれば、多くの国民が怒りを爆発させるでしょう。」「実験動物たちは苦しみながら死んでいくだけの運命ではありません。処分されずに温かい家庭に引き取られることだって可能だったのです。簡単だからという理由で殺処分する事実を受け入れることはできません。」
殺処分されることになっていたボニー、ビリーという名の成犬2頭と5か月になる子犬オリバーだけは、スージーが救うことができた。彼女が勤務していた期間中、他に飼い主が見つかったのはたった2頭だった。MSDはもっと新しい飼い主をみつけるための努力をすべきである。
英国では動物実験には国の認可が必要だ。しかし、2012年における犬猫を使う動物実験の申請は、たったのひとつも却下されることなく全て認可された。政府によると2012年に実験に使用された犬は3,214頭、猫は202頭であった。過去12か月と比べて著しい増加である。
MSDでの調査が明るみに出ると、犯罪防止担当大臣ノーマン・ベイカー氏は述べた。「私は実験動物の取り扱いについて非常に重く受け止めています。今回の実験施設に対し、2012年は何度も抜き打ち調査を行いました。これらの調査からしっかりした結論を出せるよう、さらに詳しい調査内容を求めています。」 (2014年3月)
●閲覧注意● 以下の動画には残酷な場面があります
The Express: Graphic Content Horrifying video shows Puppies and Kittens Tested at UK Laboratory
BUAV:Born to die
(翻訳:JAVA翻訳チーム)