映画「スキージャンプ・ペア」で動物虐待
映画「スキージャンプ・ペア Road to TORINO 2006」の撮影現場で動物虐待
製作会社と製作者連盟に改善を申し入れ
動物が登場する映画やドラマは数多くあります。撮影現場において、登場する動物たちが酷い扱いを受けているのではないかと心配をされている方も多いのではないでしょうか?過去にはNHKの大河ドラマで「合戦で死んだ馬の映像を撮るため、馬たちは麻酔をかけられて目を剥いて倒れていた」といった問題が発覚し、JAVAからNHKに抗議したことがありました。
今回、ウサギを使った残酷な撮影が発覚したのです。
メイキングシーンに虐待が映った!
『channel aというTV番組で、映画「スキージャンプ・ペアRoad to TORINO 2006」(架空のスポーツ競技について、実写とCGを織り交ぜて作られた映画)の宣伝がされており、その映画の制作現場の紹介として、2匹の白ウサギの足をヒモで繋ぎ、スキー板にのせて滑り台を滑降させるというシーンが放映された』という通報が入りました。
ウサギにとっては致命傷となりかねない撮影
ウサギは肉食動物から逃げる俊敏な動きをするために、骨が非常に軽く薄く華奢にできています。例えば、抱いていて落とす、あるいは、診察時などにウサギを押さえつける、爪や足先が何かにひっかかりそれを取ろうと暴れるなどのちょっとした衝撃で、あっさり腰椎や後ろ足を骨折してしまうなど、非常に骨のつくりが弱い動物であると専門家は述べています。そして、その治癒は獣医師の頭を悩ませるほど難しく、完治までは相当長い時間をかけ、根気よく治療を行っていかなければならないというのです。
つまり、「2匹の白ウサギの足をヒモで繋ぎ、スキー板にのせて滑り台を滑降させる」という行為は、大変神経質な生き物であるウサギに多大な恐怖を与えるだけでなく、身体的にも大きな負担を与える無謀な行為であり、動物虐待以外の何ものでもありません。
製作会社2社に改善を要望
JAVAは「スキージャンプ・ペアRoad to TORINO 2006」の製作会社である東宝とエイベックス・エンタテインメントに対し、改善を求めると共に、動物を使った映画を制作する場合は、観客の動物愛護意識を高める内容にすることも併せて要請しました。
製作会社からの回答
後日、両社より、「製作者側に広い視野からの動物に対する配慮が不足していたことを反省している」「今一度、撮影に用いる動物について、また作品をご覧になるお客様の心情などを考え、今後の映画製作に生かしていく」という回答文書が届きました。
また、映画制作者連盟には、さらにJAVAの要望を確実なものにするため、業界や連盟の基準を作成することも強く要請しました。
映画やテレビ番組は、観客や視聴者があって成り立つものであり、作品が社会に与える影響は非常に大きいといえます。
撮影現場は誰もが目にすることのできる場ではありませんが、完成した映画、ドラマやその他テレビ番組で動物を虐待していたり、ひどい扱いをしているといった場面を発見したら、すぐに製作会社やテレビ局に抗議してください。
(JAVA NEWS No.78より)