<台湾>ハトレース・クラブを摘発
2015年8月1日
米国の動物保護団体PETA(動物の倫理的扱いを求める人々)による詳細な調査を受けて、台湾の警察は最大級のものを含む少なくとも3つのハトレース・クラブの手入れに踏み切った。警察は「Kaohsiung Zhong Zhengハトレース・クラブ」の社長らと32人のレース参加者を摘発した。また違法賭博収益金およそ57万ドルの没収を命じた。
台湾のハトレース期間には毎年100万羽以上のハトが死んでいる。1才にも満たないハトが船で海原の真っ只中まで運ばれ、そこから放たれて、時には台風のような強風の中を目的地である自分の小屋までの長い距離を飛ぶことを強いられる。
1レースは7週連続して行われる。ハトは頭の良い鳥だが、1レースを完走するのは全体の1%以下である。多くは疲労から溺れてしまったり、嵐の中に消えていってしまう。過酷な状況を克服したとしても、次のレースに必要な出場資格タイムを満たさなかったハトは飼い主に処分されるか捨てられてしまう。
PETAは2013年の6月から10月まで台湾南部にある最大のハトレースクラブを潜入調査し、幹部たちとレース参加者が何百万ドルもの不法な賭けを行っていること、ハトが怪我をしていても治療をしない、十分休ませない、暴風雨などの厳しい状況の中でもレースをさせていること、そして大量のハトが死んでいることを認める内容を記録した。それが摘発に繋がったのである。
ハトは20年以上も生きられるのだが、台湾でレースに使われるハトたちは1才にならないうちに命を終えてしまう。