生贄のナイフから救われたラクダ <インド>
インドの聖なる町バラナシで、足を縛られ紐で口を固く閉ざされたラクダたちが発見された。地面に投げ出され虐殺される寸前であった。PETA*1インド支部と地元の活動家たちが警察を呼び、ラクダの生贄はバラナシでは違法であると指摘したことにより、ラクダたちは生贄から逃れることができた。おそらく彼らは観光客を乗せることを強いられてきたのであろう。
PETAが“High Five” *2と呼ぶこの5頭のラクダ、Afzal、Arjun、Bhuriya、Karan、Unmukは救出された時、疲れ果ててひどい状態にあった。PETAが支援するインドの動物救援団体Animal Rahatの獣医師が血液検査を行ったところ、細菌感染に加え肝臓と腎臓にも様々な程度の損傷があることがわかった。AfzalとKaranには鼻中隔を貫通する穴に挿入されていた木製の釘によってできた裂けた傷があり、ウジがわいていた。その釘には飼い主がラクダを引っ張り回していたロープが付けられていた。
ラクダたちはマハーラーシュトラにあるAnimal Rahatのサンクチュアリーへ運ばれた。長旅であったが、彼らは運ばれることを楽しんでいるようだった。旅の途中、休憩の度に外に出て足を伸ばし、菩提樹やニームの木の葉を食べ、土の上でゴロゴロとした。彼らの新しい家となるサンクチュアリーでは、緊急治療を受け抗生剤や鎮痛剤を投与された。また、体力増強のため栄養価の高い落花生なども与えられた。今では検疫を終え、サンクチュアリーの仲間であるラクダのSameer、Simran、Tracyと共に落ち着いていることだろう。この3頭もサーカスでひどい虐待を受けていたが救出され、ここで健康になるための看護を受けている。
ラクダたちはやっと安全な環境に置かれ、リラックスして、Animal Rahatのスタッフによってケアされている。
*1 PETA: People for the Ethical Treatment of Animals(動物の倫理的扱いを求める人々)/米国に本部を置く動物保護団体
*2 High Five: ハイタッチ以外にも、“上手にできたね”とか“良かったね”という褒め言葉的な意味もある。
PETA Primeウェブサイト
PETA India Saves Camels from Sacrificial Knife
https://prime.peta.org/2020/01/peta-india-saves-camels-from-sacrificial-knife/