実験施設に販売されるコンパニオンアニマル <フランス>
フランス政府がロックダウンの中ひそやかに、犬たちを動物実験の犠牲にすることを認める法律を採択した。それにより今後ペットブリーダーは、登録せずに実験用の動物を実験施設に供給することができる。つまり何のチェックを受けることもなく「余剰」の犬を簡単に始末できるのだ。これはロックダウンにより数週間休業を余儀なくされたブリーダーが、売れ残った動物でお金を稼ぐ非常に便利な方法である。
このような基準の緩和は、専門家でもない供給者の利益となり、恥ずべき虐待を行わせるための新システムを生み出す。そして最終的には組織的な虐殺の合法化となる。フランスはヨーロッパ最大の動物実験国であり年間200万頭以上を犠牲にし、実験施設で最も多くの犬を虐待している。その卑劣さに際限がないことが再び露呈されたのである。
実験者たちにとって格好のスーパーマーケット
子犬を含むあらゆる品種の犬が実験に使われる。狩猟犬のブリーダーは実験施設と特に密接な関係があり、多数の犬たちを供給している。中型でおとなしくて従順なビーグル、スプリンガースパニエル、ポインターなどの狩猟犬は扱いやすいため、「科学的研究の対象」として非常に人気があるのだ。
さらに2018年以降、事前許可や専門的認証あるいは犬を保護するための特別な規制もないままに、ブリーダーが繁殖・販売・輸送・保管できる頭数が50から250へと引き上げられた。フランスの登録ブリーダーに対する査察率はEUで最も低い。実験施設に対する抜き打ち査察の割合は諸外国では平均40%であるのに対し、フランスではわずか20%だ。このことから実験施設もまた法的な制裁から免れていると言える。
犠牲となる犬たちを待つ運命…
犬たちは薬品のテストに使われ、ウイルスを注入され、毒物が投与され、症状やダメージを検証される。臓器は「検査」され、科学の名のもとに病気にさせられたり精神を崩壊させられたり、また遺伝子実験にも使われる。全て閉ざされた環境下で行われるのだ。実験施設では、長期にわたり想像を絶する苦痛を与え、それでも死なない犬たちは、「スペアパーツ」*1として販売するために殺される。
私たちの愛する犬たちを救うには?
One Voice*2は、この政策が欧州連合の規制および環境法令第L. 110-1条の指針となる原則に反していると非難する訴えを首相に提出した。
犬たちを救うには、人々のサポートが必要となる。彼らを家族として迎え入れ、保護し、当然の権利である自由と尊厳を返すことによって、恐ろしい運命に苦しむことを宣告された犬たちの運命を変えることができるのだ。
- *1動物実験に使用するための動物の臓器など
- *2One Voice: 動物保護団体/フランス