<米国>米国環境保護庁、動物実験削減の方向へ

2012年12月3日

1990年代、環境保護を唱える人々は、殺虫剤に含まれる化学薬品が内分泌障害や環境被害を起こす可能性があると警鐘を鳴らした。米国議会は米国環境保護庁(EPA)に指示し、内分泌かく乱物質スクリーニング・プログラム(EDSP)を開発させた。EDSPの1次試験では、内分泌系に影響を与える可能性のある薬剤をスクリーニングする。薬剤1種類ごとに最低520匹の動物を使用し、莫大な費用がかかる。2次試験の内容はまだ最終決定してないが、通常の生殖毒性試験でも、2,600匹の動物が犠牲になる。しかし動物実験は結果にムラがあり、データは信頼できない。

それに対して動物を救うだけでなく人間にも有益な情報を提供することができる既存のコンピュータモデルが多数あり、EPAが開発中のインヴィトロテスト(いわゆる代替法)もある。 EPAは、米国 行政予算管理(OMB)などの指針により、内分泌活動に関わる化学薬品の評価方法の見直しを始め、EDSPにおいてインヴィトロテストを組み込んだワークプランなどを発表した。この見直しによりEDSPはより効果的なプログラムとなり最終的には動物実験を減らすことにつながるだろう。

American Anti-Vivisection Society: AV Magazine 2012 Number 1より
(翻訳:JAVA翻訳チーム)

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