<イタリア>実験用動物繁殖施設「グリーンヒル」の犬3,000頭救出される
「グリーンヒル」(多国籍企業マーシャル社のイタリア支店)は、動物実験用のビーグル犬を繁殖する施設で、イタリア、ブレシア県のモンテキアリ町にある。2012年まで、ヨーロッパ中の実験室にビーグル犬を提供していた。繁殖施設の閉鎖を求める長年のデモや抗議が続けられた後、2012年7月事態は転機を迎えた。市民や動物保護団体から、グリーンヒルにおける虐待の事実と犬の保護の訴えを受けていたブレシアの検察官が、イタリアの動物保護団体LAV(動物実験反対連盟)と環境保護団体レガムビエンテに、グリーンヒルの繁殖施設にいた3,000頭すべてのビーグル犬の保護を委ねた。この行動が裁判への一歩となり、この施設の責任者らは法廷に送られ、動物への残虐行為、そして動物を不必要に殺害した罪で告訴されることとなった。
2015年1月23日、ブレシアの裁判所は、「グリーンヒル事件」に最初の判決を下した。グリーンヒルのロンド社長(懲役1年6ヶ月)、ブラヴィ取締役(懲役1年および賠償金)、社内獣医のグラツィオシ(懲役1年6ヶ月)らは有罪となった。
検察官のアンブロジオ・カッシアーニによって法廷で示された証拠は首尾一貫しており、経費を抑えるため、また実験には適さなくなったという理由から、病気になった犬を日常的に殺すという「グリーンヒル方式」を明らかにすることに成功した。例えば、皮膚炎にかかった子犬たちには適切な治療をほどこし、栄養を与えることで問題が解決されるにもかかわらず、動物実験対象として使えなくなることから殺処分していた。また、グリーンヒルにおけるビーグル犬の死亡率は非常に高く、2008年から2012年までの死亡数は6,023頭と記録されている。そして、裁判でLAVと市民党(Civil Party)の代理人を努めた弁護士のカルラ・カンパナロは、「グリーンヒルは、利益を最優先し、動物の健康や命を守るために経費を使うことなく適切な施設もなかった。」と語った。
LAVは、次のようなコメントを出した。「この判決は、動物搾取のしくみ全体を糾弾するものです。保護されたビーグル犬は、マーシャル社にも、再開することのないグリーンヒルの繁殖施設にも戻されることはありません。救出された犬の頭数が多いことも、動物実験施設の動物に対しても動物福祉法が適応され、動物福祉が尊重されたということも、先例のないものです。今回の勝利は、多くの困難を乗り越え戦ってきた人たち全員の努力が認められた重要な判決です。LAVは、損害賠償金で、動物実験代替法の研究基金を設立します。」
LAV(LEGA ANTI VIVISEZIONE)のプレスリリースLAVPressReleaseより
(翻訳:JAVA翻訳チーム)