<米国>ショーに使用される馬への虐待予防法案、再び議会へ
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ショーに使用される馬への虐待予防法案、再び議会へ(米国)
米国の動物保護団体HSUS(全米人道協会)は、テネシー州マーフリーズボロにある、ソー・スポーツ農場への潜入調査を行い、ショーに使われるテネシー・ウォーキング・ホース種の馬への虐待の実態を暴露した。
ショーで馬が前脚を不自然に高く上げて歩くパフォーマンスを「ビッグ・リック」といい、このパフォーマンスをさせるために使われる酷い手段を「ソーリング」という。馬が前脚を高く上げるのは、トレーナーによって前脚に塗り付けられた化学薬品の刺激で地面を踏むと激痛が走るからである。使われている化学薬品には、馬の血液、肝臓、中枢神経を犯す可能性があるものもある。塗り付けた化学薬品をしっかり定着させるために包帯を巻いたり、痛みをしっかり感じさせて、脚を高く上げさせるために厚底靴を履かせたり、鎖を脚に巻いたりする。
HSUSの調査員は、数か月間の調査で、トレーナーと馬の世話係がその農場で20頭以上の馬に化学薬品を使っていることを目撃した。その中には、USDA(米国農務省)が禁止している化学薬品、水ぶくれを作るマスタード・オイル、樟脳、メチルパラベン、サリチル酸塩なども使われていた。
1970年にできたHPA(馬保護法)は、馬が公衆の前に出る時、売買時、搬送時のみの虐待を禁止していた。しかしHPAでは十分に馬への虐待が予防されないので、数年前に、ショーや訓練と称した虐待が行われている納屋などを含むすべての場所での馬の虐待を禁止するPAST(Prevent All Soring Tactics Act:ソーリング予防法)が議会にかけられたが成立しなかった。今回の調査で馬への虐待が続いていることが明るみに出たため、このPAST法案が再び米国上下両院に提出されている。
HPAの自己管理制度は、ショーを運営する組織と同じ組織によるライセンスを持った監査官に虐待をチェックさせている。しかし、PASTは、独立した第三者でありUSDAへの説明義務がある監査官にチェックさせる新しい制度を導入しようとしている。つまり、この法は、ソ―リングを重罪とし、馬への重い厚底靴や鎖など、虐待に関連するすべての手段を禁止することにより、過去の法律の抜け道を封じ、ソ―リングに終止符を打つことに狙いを定めている。
HSUS allanimals November//December 2015:Investigation Proves Horse Abuse continues
New HSUS Investigation Exposes Soring, Abuse of Walking Horses at Top Tennessee Stable