エシカル消費の中の「動物への配慮」
エシカル消費ムーブメントのなかで「動物への配慮」が浸透中
いわゆる「エシカル消費」とは、消費行動を通じて持続可能な社会を導こうという取り組みです。しかし、まだ明確な定義はなく、その内容も含めて消費者庁が設置した「『倫理的消費』調査研究会」(以下、研究会といいます)にて1年前から議論が重ねられています。
私たちJAVAでは昨秋、この「倫理的消費」の概念のなかに「動物への配慮」を含めるよう消費者庁および研究会の各委員に提言していました。
その後、このエシカル消費をめぐるムーブメントのなかで、さまざまな方々からの動物にまつわる問題提起が増え、動物に対して配慮が必要だという認識が着実に向上しています。
消費者庁「『倫理的消費』調査研究会」
2016年6月3日に開かれた第6回目の研究会では、日本女子大学の細川幸一教授から「アニマルウェルフェアとエシカル消費について」と題する話題提供がありました(第1回目からの研究会の詳細は、消費者庁のウェブサイトで見ることができます。「消費者庁」「倫理的消費」で検索してください)。
豚の妊娠ストール飼育、採卵鶏のバタリーケージ飼育、アンゴラウールやダウンの残酷な採取方法、化粧品の動物実験などの事例が説明されると、聞いていた委員たちの顔色がたちまち曇っていきました。
最後に細川教授からの「『倫理的消費』調査研究会で、動物という、意識・感覚を持ち、地球上に人間とともに生きる存在がどのような扱いを人間から受けているかの検証を行うことは当然と考える」との言葉が力強く響きました。
エシカル朝食会
6月14日、都内で開かれた「エシカル朝食会 特別交流会」に参加し、エシカル消費の普及に際して動物への配慮の必要性を訴えました。
「エシカル朝食会」は、およそ2か月に一度、企業やNGO、大学教授など日本のエシカル消費の動きをリードする人たちが集まり、講師からの講演を聴いて、朝食をとりながらエシカル消費への理解を深めることを目的にしている会(主催:日本エシカル推進協議会)ですが、これまで、安倍昭恵首相夫人、坂東眞理子昭和大学理事長らが講師を務め、板東久美子消費者庁長官(当時)、鳩山由紀夫元総理大臣など政界の要人も参席しています。
オリンピック、金融、マーケティング、遺伝子組み換え、フェアトレードと、多岐にわたるテーマについて各分野の最前線で取り組む方々からプレゼンテーションが行われました。
この場で、JAVAを含む3つの動物保護団体で構成する「美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会」は、化粧品の動物実験について問題提起をいたしました。また、「エシカル消費に動物への配慮が取り入れられるように」と一緒に活動しているアニマルライツセンターからは卵の残酷な生産過程について発表がありました。