マカクザルの実験再開が決定される<イタリア>

2021年6月15日

パルマ大学によるマカクザルの脳を用いたLight-up研究*1は数か月間停止されていたが、今回、最高行政裁判所により実験再開の決定が下された。LAV*2は2年以上もの長期にわたり、動物実験を支援する大きな組織と戦い、この実験のために研究所の中で何が行われているかを明らかにし、実験中止とサルたちの解放を求め、科学的・法的分野の専門家から多大な支援を集めた。心理学者、医師、獣医師、霊長類学者は科学的理由から、この実験に反対した。
イタリアでは前例のないことだが、過去数か月の間に、最高行政裁判所はLight-up研究を2回中断させた。他の方法を用いることが可能か否かの議論が不十分なこと、プロジェクトに関連する資金を失う可能性もあるが、それは「ひどい苦痛を与え6頭の感覚のある生き物を失明させた」ことに比べれば重要ではないことを重視した。それにもかかわらず今回、実験再開の決定が下されたことに対し、LAVの動物を用いない研究担当責任者である生物学者のMichela Kuan氏は次のように述べた。「これはLAVと44万人を超える支援者だけでなく、研究団体全体、イタリアにとっての敗北だ。このままでは、全ての権利と生命そして革新的な研究方法が害され、過去のものとすべく大きな犠牲が伴う誤った研究を守ろうとする国となってしまう」
LAVは諦めず、そして圧力に屈することなく、私たちの主張を裏付けるために2年以上かけて行ってきた活動、科学的・倫理的な意見など全て開示していく。

©LAV
  1. *1Light-up研究: 脳内メカニズムの理解を進めることを目標とした5年にわたる長期の実験。サルは拘束椅子で多数の外科手術と訓練を受け、最終的に殺される。
  2. *2LAV: 動物保護団体/イタリア

LIGHT-UP STUDY ON MACAQUES, THE COUNCIL OF STATE HAS DECIDED: MACAQUE EXPERIMENTS ARE RESUMED AT THE UNIVERSITY OF PARMA. ACCEPTED ONLY THE REMARK ON THE REPORTS ON ANIMAL SUFFERING (LAV)/2021年1月29日付けLAVプレスリリース

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