動物を使わないワクチンの安全性試験法を呼びかける看板<米国>

2022年3月1日

2021年の夏、PCRMはデラウェア州に看板を立て、ワクチンの安全性試験法に使用されているカブトガニの血液を非動物性のものに変更するように呼びかけた。

PCRMによって立てられた看板。「動物を使用しない方法の方が優れている!」と訴えている。

注射治療薬とワクチンは全てヒトに投与する前に、発熱を誘発する汚染物質混入の有無について検査する必要がある。かつては、この試験にはウサギが使われていたが、その後、カブトガニの血液を使う方法が採用された。しかし、リコンビナントファクターC(rFC)という非動物性の合成検査の方が、科学的に優れていることが明らかになった。だが、米国の規制政策は、rFCの利用方法を厄介なものにしている。PCRMの規制政策責任者のElizabeth Baker氏(弁護士)は、デラウェア州のCape Gazette紙に次のように語っている。「rFCの方が、カブトガニの血液よりも、ワクチンの安定供給を支えるのに適している。今こそ科学と政策を一致させるべき時であり、そのためには規制のハードルを取り除くことが必要だ」

欧州薬局方は、米国のように使用に対して負担を課すことなしに、rFCを受け入れている。規制当局やメーカーが使用する医薬品の規格を定める米国薬局方(USP)はいまだに、広範囲におよぶ追加作業なしでは、rFCを受け入れていない。カブトガニの血液による検査では、そのような追加作業は必要ないのである。しかし、米国食品医薬品局(FDA)は、特定の治療法についてはrFCを承認している。2年前から米国では、rFCから得られた安全性データに基づいて発売された注射薬が使用されているが、それによる医療上の問題は発生していない。

PCRMは、COVID-19ワクチンも含むワクチンや注射薬の全バッチに対して、カブトガニの血液を用いずに非動物法によって検査するように、議会と規制当局に働きかけている。

📹 『How Vaccine Safety Testing Hurts Horseshoe Crabs—And Why It Doesn’t Have To

PCRMによる動画(英語)です。血液を採取するためにカブトカニは心臓まで針を差し込まれ、その約20%が死んでしまうことなどが説明されています。

Billboards Call for Nonanimal Vaccine Safety Testing Method (PCRM)
 (2021 No.4 Autumn Good Medicine, p11)

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