エジプト航空が研究のためのサルの輸送を停止<エジプト>
エジプト航空は、サルを研究所に輸送する契約を更新しなかったことを明らかにした。私たちCFI〈*1〉や他の動物保護団体の長年にわたるキャンペーンを経て、エジプト航空は、研究や毒性試験に使用するための霊長類の国際取引への関与を止めた航空会社のリストに加わった。エールフランスとケニア航空も、霊長類の輸送を止めている。
エジプト航空がサルの輸送を行っていることは、2022年3月、Action for Primates〈*2〉によって明らかにされた。エジプト航空は、ベトナムやモーリシャスなどから何千頭ものカニクイザルを輸送してきたが、主にカンボジアからカイロ経由で米国に輸送していた。サルたちは20時間以上のフライトと5~6時間の乗り継ぎという過酷で精神的にもつらい試練に耐えなければならなかった。
研究と毒性試験を目的とした霊長類の国際取引と輸送は残酷な産業である。毎年何万頭ものサルが、家族から引き離され、小さな木箱に詰め込まれ貨物として世界中の研究所に輸送され、試験に使用される。その大半は法的に義務付けられた規制試験である。強制的に製品の摂取や吸入、皮膚への塗布などが、場合によっては数週間または数か月にわたって毎日行われるのだ。
カニクイザルは近年、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種として掲載された。今、手を打たなければ、種の存続が懸念される。
CFIの広報担当ディレクターであるKerry Postlewhite氏は、次のように述べている。「私たちはエジプト航空の正しい行いを称賛する。このような知的で感性に優れた動物に悪夢のような旅をさせ、その後、金属の檻に閉じ込め残酷な実験に使用するようなことを続けてはならない。研究と実験を目的としたサルの取引は終わらせなければならない」
- *1Cruelty Free International(動物実験の廃止を目指す動物保護団体)/英国
- *2世界中の霊長類のための活動を行う団体/英国
EGYPTAIR STOPS TRANSPORTING MONKEYS FOR RESEARCH (CFI)