卵不足が良いことである5つの理由<米国>

2023年6月5日

多くの人が、卵の価格の高さに疑問を抱いている。だが、私たちPETA〈*1〉は、これまでの安値に疑問を感じている。というのも、卵の生産は毎年何百万羽ものニワトリの命を犠牲にし、その短い生涯に計り知れない苦痛を与えているからだ。

卵を使うべきでない5つの理由

1.卵産業におけるニワトリたちは、2歳で殺処分される

米国では、約4億羽が卵の生産に利用されている。通常は約1歳半で毎日産卵しなくなる。そうなると「無価値」とみなされ殺処分される。また、毎年2億羽以上のオスのヒナは、生後1日で生きたまま粉砕される。卵を産めず、食肉にするにも小さすぎて利益を生まないからだ。「放し飼い」や「ケージフリー」と表記した卵を販売している企業でも、この殺処分は行われている。

2. 「ケージフリー」「オーガニック」「放し飼い」と謳っていても、ニワトリたちにとっては、良いことではない

「放し飼い」を謳う鶏卵会社、Nellie’s Free Range Eggsに対する PETA の調査では、1羽あたり1平方フィート強〈*2〉のスペースしかない小屋に何千羽ものニワトリがぎっしりと詰め込まれていることが判明した。このような環境では、翼を広げることも餌を食べるために首を伸ばすこともできない。

3. 畜産業がパンデミックの原因となる

鳥インフルエンザが米国史上最大規模で発生する中、非常に伝染性の高いウイルス株のヒトへの感染が初めて確認された。養鶏場で殺処分に携わった際に感染した可能性がある。
養鶏場では、ガスによる殺処分が一般的だ。また、「換気遮断プラス」と言う非常に残酷な方法で小屋内すべての気流を遮断し、温度を 120 度まで上げて二酸化炭素を加え、窒息死させることもある。この方法は何時間もかかることがあり、その間、ニワトリたちは身もだえし、あえぎ、逃げようとして壁にぶつかり、最終的に熱射病と窒息で命を落とす。

4. 卵などの動物由来製品は野菜よりも高値である

野菜や果物、豆などの自然食品と同様、ミートフリー食品も価格が下がっている。

5. 恐ろしい卵産業を支援する必要はない

思いやりの心を持つことへの必要性から植物性食品の需要が高まるにつれて、卵の代替品があり、卵を含まない製品も増えてきている。

  1. *1People for the Ethical Treatment of Animals(動物の倫理的扱いを求める人々)/米国に本部を置く動物保護団体
  2. *21フィート約30cm

5 Reasons the Egg Shortage Is a Good Thing (PETA)

PETAによる動画(英語)

Where Do Eggs Come From?(卵はどこからくるの?)

とても身近な食材の卵。こんなにも酷いニワトリへの虐待の上に卵産業は成り立っている。


Shoppers React to Nellie’s “Free Range” Eggs(Nellieの「放し飼い」卵の実態に対する消費者の反応)

「放し飼い」を謳っている米国の鶏卵会社Nellie’s Free Range Eggs。その養鶏場の実態映像を観た消費者の反応を紹介している。

           

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